日頃、お客様の「こんな暮らしがしたい」という夢をお伺いし、それを形にするのが私の仕事です。その最初のご相談で、ほぼ100%のお客様からいただくご質問が、**「結局、総額でいくらかかるんですか?」**という、お金に関するご質問です。
「物件価格」と「リノベーション費用」。この2つのバランスは、リノベーションの成功を左右する最も重要な心臓部です。
今日は、多くの方が悩まれるこの「総予算」の考え方について、私たちプロの視点から、失敗しないための「賢い予算配分」をお話ししたいと思います。
なぜ今、沖縄で「中古+リノベ」が最強の選択肢なのか
まず大前提として、なぜ「中古マンション+リノベーション」を選ぶ方が増えているのでしょうか。
皆様も肌で感じていらっしゃる通り、特に那覇市内の新築マンションの価格は、ここ数年で驚くほど高騰しました。那覇市内で新築・築浅の3LDKを探そうとすれば、5,000万円、6,000万円を超えることも珍しくありません。
多くの方が「立地は譲れない、でも内装もキレイな方がいい…」というジレンマに陥ります。
そこで最強の選択肢となるのが「中古+リノベ」です。
-
新築のメリット: 内装や設備が最新(しかし、間取りは選べない)
-
中古+リノベのメリット: **「①新築より格段に安い価格で」「②希望の立地に住み」「③内装も間取りも100%自分好みに」**できる。
新築マンションの画一的な間取りに自分の暮らしを合わせるのではなく、中古マンションという「ハコ(=立地)」を手に入れて、自分の暮らしに合わせて内側を自由にデザインする。これこそが、賢く理想の暮らしを実現する方法だと、私たちは確信しています。
失敗例:最も危険な予算配分「物件価格が高すぎた」ケース
しかし、この「中古+リノベ」で、最も多くの方が陥ってしまう失敗パターンがあります。 それは、**「物件価格にお金をかけすぎて、リノベーション費用が足りなくなる」**というケースです。
皆様、物件を探し始めると、ついつい「少しでも築年数が浅いもの」「少しでも内装がキレイなもの」に目が行きがちです。不動産情報サイトを見ていると、魅力的な物件がたくさん出てきますよね。
例えば、総予算4,000万円で計画していたAさんがいたとします。
Aさんは物件探しに夢中になるあまり、「これは掘り出し物だ!」と、3,500万円の中古マンションを契約してしまいました。 「残りの500万円でリノベーションすればいいや」と軽く考えていたのです。
ここに、大きな落とし穴があります。
リノベーション費用「500万円」でできることは、残念ながら「リフォーム」の領域、つまり「水回り設備の交換」や「壁紙・床の張替え」程度で終わってしまいます。
Aさんが本当にやりたかったはずの、「暗い和室をなくして、光が差し込む広いLDKにしたい」「家族の顔が見えるアイランドキッチンにしたい」「収納が足りないからウォークインクローゼットが欲しい」といった**「間取り変更」を伴うリノベーション**は、その予算では実現できません。
結果、Aさんは「立地は良いけれど、間取りは妥協だらけ」という、不完全燃焼な住まいに暮らすことになってしまいました。
成功の鍵は「リノベ費用を先に確保する」という逆転の発想
では、どうすればよかったのでしょうか? 私たちウイテックが、お客様に必ずお伝えしている「賢い予算配分」をご紹介します。
それは、**「総予算から、先に『理想のリノベーション費用』を引く」**という、逆転の発想です。
先ほどのAさんの例(総予算4,000万円)で見てみましょう。
【失敗例】 総予算4,000万円
- 先に物件を探す → 3,500万円の物件を購入
- 残りでリノベ → 500万円(妥協のリノベ) 結果:理想の暮らしは実現できない
【ウイテックが推奨する成功例】 総予算4,000万円
- 先に「理想のリノベ費用」を確保する → **「1,500万円」**を確保
- 残りの予算で物件を探す → **「2,500万円」**で物件を探す 結果:築年数は古くても、立地が良く、理想の間取りと内装を実現できる
皆様、「リノベーションに1,500万円」と聞くと驚かれるかもしれません。ですが、この「1,500万円」こそが、妥協のない理想の暮らしを実現するための「聖域(サンクチュアリ)」なのです。
リノベーション費用「1,500万円」で何ができるのか?
ここで、リノベーション費用の目安について、沖縄での実情をお話しします。
【予算500万円レベル:表層リフォーム】 ・水回り設備(キッチン・浴室・トイレ)の交換 ・壁紙、床材の全面張替え ※間取り変更はほぼ不可。
【予算1,000万円レベル:フルリノベーション】 ・間取り変更(壁の撤去・新設) ・水回り設備の全交換と、それに伴う位置の移動 ・内装の全面刷新 ※いわゆる「リノベーション」の標準的な価格帯です。
【予算1,500万円レベル:フルスケルトン・リノベーション】 ・床も壁も天井もすべて解体し、コンクリートの「ハコ」の状態に戻す ・間取りの完全自由設計 ・床下の給排水管、壁内の電気配線もすべて新品に交換 ・沖縄の気候に合わせた**「断熱」や「防音」**の強化 ・造作家具(TVボード、本棚、カウンターなど)の設置
つまり、予算1,500万円を確保するということは、**「見た目だけ新しくする」のではなく、「見えないインフラ部分もすべて新築同様に更新し、断熱性などの根本的な性能も向上させ、さらに自分の理想のデザインを詰め込む」**ための費用なのです。
賢いリノベーションは「物件探し」から始まっている
ここまでお読みいただき、「なるほど、リノベ費用を1,500万円確保して、残りの2,500万円で那覇市内の物件を探せばいいんだな!」と思われたかもしれません。
その通りです。
そして、その**「2,500万円の物件探し」**こそが、最後の重要なポイントです。
同じ価格、同じ築年数、同じ広さの物件でも、 ・間取り変更がしやすい「ラーメン構造」の物件 ・壁が抜けず間取り変更が困難な「壁式構造」の物件が存在します。
また、床下の配管スペースや天井裏の懐(ふところ)など、プロの目で見なければ「リノベの伸びしろ」は判断できません。
だからこそ、私たちウイテックは**「物件購入前の同行内見・ご相談」**を強くお勧めしています。
お客様が「これ、いいかも」と思った物件に、購入契約の前に私たちプロが同行します。
その場で、 「この物件は壁が抜けますから、理想のLDKが作れますね」 「このマンションは水回りの移動が難しいので、別のプランを考えましょう」 「この広さなら、1,500万円のご予算でここまでできますよ」 と、その場で「リノベーション診断」を行います。
リノベーションは、設計図を描き始めるずっと前、「物件探し」の段階からすでに始まっているのです。
デザイナー玉城からのメッセージ
「物件価格+リノベ費用」は、決して足し算ではありません。どちらかを優先すればどちらかが犠牲になる、シーソーのような関係です。
大切なのは、「リノベーションで叶えたい理想の暮らし」を先に明確にし、そのための費用を絶対に譲らない「聖域」として確保すること。
私たちは、お客様の「総予算」という限られた枠の中で、物件選びと設計デザインの両面から、お客様の理想を最大化するお手伝いをいたします。
「この物件、どう思う?」 「私たちの総予算で、どんな暮らしが実現できる?」
そんな気軽なご相談から、ぜひ玉城までお声がけください。一緒に「賢い」リノベーション計画をスタートさせましょう。
【ウイテック リノベーション個別相談会】のご案内
今回のコラムを読んで、 「まさに、うちも総予算4,000万円で悩んでいた」 「リノベ費用1,500万円で、具体的にどんなことができるのか事例が見たい」 「今、検討しているこの物件、プロの目で診断してほしい」 と感じられた方も多いのではないでしょうか。
私たちウイテックでは、そんな皆様の疑問や不安にデザイナーが直接お答えする**「無料リノベーション個別相談会」**を随時開催しています。
この相談会は、セミナー形式ではなく、お客様一組一組のお話をじっくりとお伺いする個別のご相談会です。
**「まだ何も決まっていないけれど、話だけ聞いてみたい」**という方も、もちろん大歓迎です。 コラムではお伝えしきれなかった沖縄の豊富な施工事例の写真をお見せしながら、お客様の「総予算」の中で、どのような「理想の暮らし」が実現できるかを一緒に考えます。
ぜひ、皆様の夢や悩みをお聞かせください。
▼無料リノベーション個別相談会 概要
-
日時: 随時開催中(完全ご予約制)
-
ご希望の日時を第3希望までお知らせください。
-
-
場所: 有限会社ウイテック オフィス
-
沖縄県那覇市泉崎1丁目13−23島田産業ビル703号室
-
-
参加費: 無料
-
ご持参いただくとスムーズなもの(任意):
-
検討中の物件資料(間取り図など)
-
理想のイメージ写真や雑誌の切り抜き
-
現在のお住まいの図面 など
-
-
ご予約方法:
-
お電話:080-6493-3290
-
ウェブサイト: 沖縄リノベーション相談会lp
-
「コラムを見た」と一言添えていただくとスムーズです。 皆様とお会いできるのを、スタッフ一同楽しみにしております。